スマホから脳を取り戻すには……「最強脳」読んだよ
永井産業
1.アンデシュ・ハンセンの『最強脳』読んだよ
2.運動で脳機能がアップするらしいよ!
週三回・一日30分・心臓がドキドキするくらいが脳に良いらしいよ
『最強脳』って本を読んだよ
資質糖質炭水化物足りてますか?
おやつは心の栄養素
低収入童貞子供部屋おじさんの唯唯です。
今回はベストセラーとなった『スマホ脳』の作者アンデシュ・ハンセンさんが
「集中力や睡眠や感情コントロール、認知機能などを取り戻すためには?」
というテーマで親子向けに書いた本『最強脳』を読んでみたので感想をツラツラ書いていきたいと思います。
スマホ脳の感想は↓記事にも書いてましたので、よかったらぜし
皆さんは、一日どれくらいスマホを見ていますか?
著者の祖国スウェーデンでは、電子機器やインターネット使用率・使用時間を調査した
「スウェーデン人とインターネット」という報告では
乳児、つまり月齢12ケ月までの4人に1人がインターネットを使っている。2歳児は半数以上がインターネットを毎日使っている
という結果が出てまた、
(中略)
英国の調査でも子供とティーンエイジャーは毎日6時間半スマホやタブレット端末、もしくはパソコンやテレビを見ている。
(中略)
米国のティーンエイジャーは毎日9時間をインターネットに費やしている
という恐ろしい結果が報告されました。
では、日本はどのような状況なのでしょうか?
「内閣府令和2年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると
小学生の9.5%
中学生の20.7%
高校生の35.9%
が一日あたり5時間以上インターネットを利用している
インターネット利用時間の平均値は
小学生146分
中学生199分
高校生267分
という結果が報告されています。
小学生でも平均2時間、高校生になると平均4時間をインターネット利用に当てているというのは驚きです。
かくいう私も、インターネットを使ってこの記事を書いているわけですが…….。
およそ4時から6時に学校が終わるとして(部活とかクラブ活動含んでそのくらいだったような記憶)それから5時間以上もインターネットを使っていたら、その他の活動できなくね?? と思うのですが、インターネットを使用しながら遊んだりだべったり宿題をしているということなのでしょうか。
私は高校まで友達がいなかったのでよくわかりませんが……
ともあれ、最近の子供たちは、生活時間の大半をインターネットやスマホとともに過ごしているということは、割と万国共通の現象と言えるのでしょう。
では、スマホ・インターネットという発明品は何故これほどまでに我々を惹きつけ夢中にさせるのでしょうか?
アップルが記念碑的商品、初代iPhoneを発売したのが2007年6月29日
それからまだ15年しかたっていないというのに……。
進化してきた脳
脳の進化については「スマホ脳」に詳しく載っているのでそちらを読んでいただけばいいと思います。
「最強脳」では、話を単純化するため
爬虫類脳⇒ネズミ脳⇒サル脳⇒ヒト脳(デラックスターボエンジン付サル脳)
という分類を紹介しています。
似たような進化の図解が理化学研究所の若者向けHPにも載っていたのでこちらも参照してみてください。
爬虫類脳⇒もっとも原始的な脳/脳幹・小脳と中枢神経に近い部位だけ/呼吸・循環・運動・本能をつかさどり、ストレス源に対峙した場合「戦うor逃げる」の2択で行動
ネズミ脳⇒大脳新皮質が出現/記憶・感情・危険予測が可能になる/周りの状況に注意し、危険へ近づかない行動をとる
サル脳⇒大脳が大きく発達/高度な認知とそれに基づいた行動・思考・協働をできる
ヒト脳⇒サル脳+デラックスターボエンジン/大脳の90%以上が大脳皮質/虚構による協力が可能になる/サルを超える規模の群れとして行動ができる
といった進化の道筋をたどってきました。
サバンナにいる脳
生物種のなかではトップクラスの進化を遂げた(そしてほかの人類候補を皆殺しにした)ホモサピエンスですが、2022年になった今も、脳の行動基準はサバンナで狩猟採集を行っていた頃のままだといいます。
当時は、飢餓と周りの脅威が命に直結していたため(少なくとも日本である程度のお金があれば)いつでも食べ物を得られるようになった現代でも、食事は抗いがたい誘惑の一つとなっているのです。
「最強脳」のなかでは「ポテトチップスを食べながらソファに座っているとき」という例で説明しています。
ポテトチップスは、ジャガイモ(炭水化物≒糖質)を脂で揚げたお菓子であり、カロリーの塊と言って差し支えありません。
現代に暮らしながらサバンナを記憶している脳ミソ君は
「カロリーを摂取できるときにできるだけ多量に摂取することはよいこと!! 何故なら次にいつカロリーをとれるかわからないから」
と考え、目の前の袋が空になるまでポテトチップスをほおばることに、ご褒美の快楽物質を分泌するのでした。
少し脱線
世界全体が飢餓の恐怖から解き放たれたのは、かなり最近の事なのだそうです。
「ホモデウス」によると、古代の国々は言うに及ばず
1692年~94年 フランスで飢饉が発生、280万人が餓死
・この時「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」とマリーアントワネットが言ったという有名な逸話がありますが、色々間違って伝わったようです。実際の発言は「パンがなければブリオッシュを食べればいい」(当時はパンより安価だったため)であり、発言主はマリーテレーズであった。という説が有名なのだとか
コチラの動画で知りました。
1695年~エストニアで飢饉 人口の20%が死亡
1697年~フィンランドで飢饉
など、大きな被害があったようです。
当時は主要穀物の生産高も現代とは比べ物にならないほど低く(ハーバーボッシュ法が発明されたのは1909年)また、輸送手段も内燃機関を搭載した自動車や飛行機などあるはずもないため食料を届ける距離にも限界がありました。
馬車限界と呼ばれる距離より遠い場所へは輸送することがほぼ不可能だったとか
こちらの動画がめちゃくちゃわかりやすいので是非
あまりにも飢餓が頻発したためなのか、ピーテルブリューゲルはこんな絵を残したようです。
ことほど左様に、飢餓というものが長い間人類を苦しめ続けた問題であり、現代でも食べ物を目の前にすると抑えが効かなくなってしまうのは生物学的な反応ということがわかります。
私が太っているのも脳が悪いのです
ドーパミン漬けの脳
さて、脳ミソ君は、生存に必要な行動へのご褒美として様々な物質を分泌します。
中でも本書で取り上げられている物質は「ドーパミン」です。
この物質は、何かを達成した時ではなく、何かに期待して行動するとき
ドバドバと分泌されるのだそうです。
・カロリーが高そうな食べ物が目の前にある時
・ここの木に熟した実がある「かもしれない」と見に行くとき
・スマホに新しい通知が来ている「かもしれない」と画面を見たとき
・当たりが出る「かもしれない」とガチャを引くとき
(レバーを押すと餌が出てくるで有名なスキナー箱実験の人間版ですね。)
・性的興奮する「かもしれない」とポルノを開くとき
・誰かが読んでくれる「かもしれない」とブログを更新したとき
こんな時にはドーパミンがドバドバ出て、気持ちよくなっているのだそうです。
そして、現代人を取り巻く様々なデバイスは、いかにドーパミンをドバドバ出させ、望む行動を繰り返させるか? という思想で作られているため、常にドーパミン漬けになっているのだとか。
特にブレーキをかける海馬(遊戯王ではない)や前頭葉が発達していない子供たちは、ドーパミンドバドバ装置であるスマホやタブレットに夢中になりやすいのです
脳機能改善のカギは「運動」
上記のように快楽物質漬けにされ、認知機能や感情抑制機能が低下した脳をいかに活性化させるか?
著者アンデシュ・ハンセン氏は「運動」を強く勧めています。
とバッサリと切り捨てています。
運動の効果
運動の効果として、この本では5つの効能を挙げています
・もっと幸せな自分になる
・イヤな自分とさよならする
・集中力を上げる
・発想力豊かになる
・ゲームがうまくなる
・記憶力を良くする
これらの効果は単一で起こるわけではなく、30分以上の運動を継続して行うことで、これらの効果が(強弱の差はあれど)同時に出てくるのだそうです。
また、運動後に出る快楽物質は、普段の生活で浴びているものよりも強いため、単純に気持ちよく爽快な気分になれるのもメリットなのだとか。
どんな運動でもOK
運動・スポーツといえば様々な種類があります。
手を使うもの足を使うものボールを投げるものラケットを振るものetc...
基本的にどんな形態でも、身体を動かしさえしておけばOKのようです。
強度の目安
運動の強度ですが、著者によると
週三日以上・一日30分以上・心臓がドキドキした状態が合計30分以上
というのが脳機能改善のために望ましいそうです。
また、いきなりこの強度にする必要はなく
ミニマム:日常生活の延長線上で、いつもより多く歩いてみたり掃除を素早い動きでやってみたり、生活+αの動きをつけてみる
ミドル:ある程度しっかりとした運動を30分以上継続してやってみる
マックス:さらに強度の高いインターバルトレーニングやバーピーなどを取り入れる
という段階を踏んで習慣にしていくことが大事だと述べています。
まとめ
脳ミソをスマホやインターネットから取り戻すため少しだけ運動してみましょう!
私もこの記事UPとともに雪道を散歩してきます!!
へば