読書「安いニッポン」
脂質糖質炭水化物たりてますか?
無職童貞子供部屋おじさんの唯唯です。
今回は、面白いけど日本の未来がとても暗いのではないか?? という絶望的な気分になる本を読んだ話です。
ちな、オリラジのあっちゃんも解説動画を出しているようなので、動画の方がいいという方はYouTubeで探してみてください。
安いニッポン「価格」が示す停滞
今回、この本を読んだきっかけは「うちむら見える化TV」や「池上彰のニュース解説]
で、日本だけが成長していないことを取り上げていたためです。
日本はデフレから脱却できず、成長している国々と比較して
食料
技術
人材
などの点で買い負けてしまうという未来が示されていました。
1.食料の買い負け
現在、日本の食料自給率は生産額ベースで約67%,カロリーベースで約37%と言われています。
水稲(コメ)や鶏卵は9割程度の自給率を維持できていますが、魚介類は約5割小麦に至っては90%以上を輸入に頼っている状態です。
また、家畜の飼料や燃料、天然ガスなどを含めると、ほとんどが輸入であり自給率はほとんどありません。
輸入に頼る以上、他の国との競争が起きます。
その際、今まで買えていた価格では買うことができず、特に高級食材となったクロマグロや海産物で買い負けが増えているそうです。
内村さんの番組では、買い負けが続いた結果、庶民がいける価格帯の回転ずしでは、まともな大きさのネタを食べることはできず、このようなほとんどご飯の物をスシとして食べる日も遠くないと言っていました。
コメは自給率が高いため、シャリ玉はそのまま維持できそうですが、海産物は安定して養殖できるネタ以外はこのようなサイズになってしまうようです。(ほんとかよ)
ラーメンズのネタも笑えなくなってきますね。
特に、2022-2023年に関しては、ウクライナ侵攻やアメリカの熱波、アフリカの蝗害再来、インドの輸出制限などで、穀物輸入ができなくなってしまいそうです。
繰り返しになりますが、コメだけは作れるので、いっそ米粉を流行させるのも手かもしれませんね。
あるいは家庭で麦を作るか。
2.技術の買い負け
東京を中心として、様々なジャンルの中小零細事業者がおり、その中でも独自の技術を持つ町工場は海外からも注目されています。
これらの技術は、日本企業として伝承させていくことで、より大きな収益を生む可能性があります。
しかし、これらも海外に買い負けしてしまい、海外企業がオーナーとなる例が相次いでいるようでした。
小規模事業所については、買い負けというよりそもそも大企業や国が興味を示さなかったものが、実は最先端技術を支える基幹技術であったということも多いようです。
正常業向けの部品メーカーや消費財メーカーなど、技術があるのに日本大手が興味を示さず、海外企業に安く買いたたかれる案件が増えた。
長野県の山奥にある、従業員が数人の精密機械企業がひっそりと買われている
「安いニッポン「価格」が示す停滞 p165」
というように、創業時や事業承継の税制優遇、金融機関からの融資、コロナ等への支援金など日本のお金で存続してきた企業を海外資本にソックリ買われてしまうことがすっくなくないようです。
中小企業側からすれば、海外資本に事業売却することで倒産をまぬかれるし従業員を路頭に迷わせずにすむし、さらに海外のマーケットへ門戸が開かれるし…などいいことづくめと言う幸せなM&Aになることも珍しくないとのこと。
下請けに対して部品一点あたり1円でも安く発注しようとする日本企業と、新たな仕事をくれる海外企業、ここもある種の買い負けと言えるのかもしれません。
3.人の買い負け
「人を買う」というと違和感がありますが、雇用の問題ですよね。
テレビ番組では、特にアニメーターの労働力市場について触れていました。
日本のアニメーターが月々19万円程度の収入であるのに対し、外国特に中国のアニメ業界から、2,3倍の賃金を提示され引き抜かれる事案が起きているそうです。
中国では、西側文化の流入に対して政府の規制が強く自国内でコンテンツを作成したい、かつ、クオリティを上げて売り上げを伸ばしたいということで、日本人アニメーターを引き抜き「日本品質の内製化」を狙っているのだそうです。
日本のアニメーターは長時間労働低賃金であると様々な媒体で暴露されています。
古くは「アニメーション制作進行くろみちゃん」
(どうでもいいけど、プレミアついてえげつない価格になってるんですね)
最近でいえばSHIROBAKO
(皆さんはどのキャラが好きですか? 個人的に瀬川さんとタイヤちゃんが性癖です。よかったら好きなキャラをコメントに書いてください)
あとは、映画になったハケンアニメでも労働問題を取り上げています。
JANICAによる「アニメーション制作者実態調査」によると
年収
平均値440万円
中央値370万円
となっており、低収入と言わざるを得ません。
ちなみに私の前職は年収196万8,000円でした。
世界のマーケットで勝負できる希少な財だというのに、その生産に十分な賃金を払わず外国に市場を奪われる、何度繰り返せば気が済むのでしょうか??
白物家電も半導体もカメラも……同じ轍を踏まないために、今市場構造を変えなければかなりまずい状況にあるのではないでしょうか。
外貨を獲得する貴重な手段なのですから、国をあげて保護し成長させなければ、崩壊の時は間近だと思います。
このほかにも、様々な市場で買い負けが続けば、世界から相手にされず、滅亡へ向かっていくだけになっていくのでしょう。
じゃあ、お前は何をするの?? って話
日本の低賃金や、労働生産性の低さ、食料品の危機については万人があまねく語っているのですが、じゃあ、お前は何かするのかい? しないのかい?
どっちなんだい??
やー------る!!
何か自分にできることをやりたいと思います。
具体的な最終目標は
自分たちの食べる分を自分たちで耕す、家庭菜園を基盤にした小さな集団(ムラ)を作る
ことです。
広場があればなぁ
井上ひさしの「イーハトーボの劇列車」ラストシーンで、農民に扮した宮沢賢治は
「ひろばがあればなぁ。どこの村にも広場があればなあ。村の人びとが祭りをしたり、談合をぶったり、神楽や鹿踊りをたのしんだり、とにかく村の中心にひろばがあればどんなにいいかしれやしない」
「イーハトーボの劇列車」 p166
とかたります。
これは、農村や食糧生産基地があるという前提で、そこにひろばを求めています。
翻って現代、ひろばはいたるところにあります。
今は広場と呼べる空間は、現実にも電脳上にもたくさんあります。
そこで、人と資金を集め、農業体験をできる場所、疑似的なムラを作りたいなぁ……
なんておぼろげながら浮かんできたのです。
とはいえ、村づくり系のプロジェクトは、失敗すると相場が決まっております。
高知のイケハヤさんや個人的に尊敬しているクリエイター堀元見さんも村づくりプロジェクトについては途中で挫折しています。
あれだけ頭が良く、行動力もある堀元さんができなかったことを自分ができるはずもありません。
そこで、もっとライトな、家庭菜園の共同管理位を目指していきたいと思います。
実際にどのように進めるかとか、仕事をしながらダイエットをしながら農業とか無理だろとか、全く思いついてすらいませんが、いつか必ず達成させる、人生の目標の一つとして設定したいと思います。
いや、マジだから。