ダイエットに役立つかもよ「[ずる]嘘とごまかしの行動経済学
脂質糖質炭水化物足りてますか?
おやつは心の栄養素。
子供部屋おじさんの唯唯(yuipoco)です
今回は、地元の書店(東山道三ツ割店)さんで購入した本が面白かったので紹介したいと思います。
それがこちら
『[ずる]嘘とごまかしの行動経済学』
(早川書房 ダン・アリエリー 2014/09/14)
どんな本なの?
名は体を表す。
中身はタイトルそのままです。
人は、どんな時不正を行い、他人や自分を欺くのか?
ということを、行動経済学的に分析しようという内容です。
そもそも行動経済学って何さ?
ものすごくザックリいうと
「人は経済学的合理性じゃ行動できてないよね?」
という考え方を、従来の経済学数式モデルに組み込んでみよう!
と考えられたものです。
人は時に(しばしば、頻繁に)合理的選択理論によって導かれ得ない不合理な選択をすることがあります。
合理的選択とは
1.選択集合内の選択肢をすべて挙げ
2.選択肢一つ一つについて、メリットデメリット(費用便益)を並べ
3.選択肢の優劣・得られる利潤の量を比較し
4.最終的意思決定を行う
という考え方です。
「何故その選択をしたの?」
と尋ねられた時
「いや、なんとなく……」「みんな良いって言ってたし……」「ばなな!」
などと答えることなく
客観的かつ合理的な説明ができるということです。
従来の主流経済学は、人間は経済的合理性によって選択・行動し自らの利潤を最大化する『合理的経済人』(ホモ・エコノミクス)であることを前提としていました。
でもさ
振り返ってみると、合理的選択してないときのほうが多くないですか?
衝動・欲求・気分etc...で行動してること多くないっすか?
(宇崎ちゃんボイスで)
例えば……
- 仕事を終えて帰宅して、資格試験や自己投資のための勉強すべきとわかっているのに、ソファに座ってテレビのリモコンポチー。ビールカシュッ! スマホポチポチ……
- PCの電源付けたらYouTube開いちゃって推しライバーに投げ銭ポイー。
- Amazonで別にそこまで欲しくないけどポチポチ
- X-〇id〇osとP〇rn〇ubハシゴして四股四股
- 出前のいなり、一個くらい食べてもバレへんか
みたいなことしちゃってるんじゃないですか?
僕はしています!!(どーん!!)
僕のことはさておくとして、実際に合理的選択からは考えられない選択をすることは、古今東西観察されていました。
そこで「ヒトはホモ・エコノミクス」足り得ない。心理・環境・外部の影響により不合理な選択をする生き物である。
という前提に立とうじゃないか。不合理すら数理モデルの変数として組み込もうじゃないか。という考えが行動経済学の基本となります。
(多分間違えてるので、経済のエロい人やさしく教えてクレメンス。優しくね。不破不破ことばでね!)
映画「マネーボール」で知っている人も多いと思いますし、ゲーム理論・TTCアルゴリズムあたりと並んで人気のあるかなりホットな領域であります。
本に戻って
行動経済学の隆盛以前、犯罪や不正も合理的に行われるという「合理的犯罪モデル(SMOC)」が用いられていたそうです。
捕まるリスクが低ければ強盗するよ!! チャンスがあれば盗むよ!
だって便益>費用(リスク)なんだもん!!
という考え方ですね。
んなこたぁない
意外とナアナアで済んでるのが現実で、費用便益分析通りに犯罪犯す人は(いまのところまだ)少数派です。
この本では、学生たちにあの手この手で不正をさせようとして、実際に不正が起こるのか? どの程度の確立になるのか? ということを観察する。
なかなに意地の悪い(そして読んでいて楽しい)実験を通して、ずるを行動経済的に分析しようとしていきます。
ようやく本題
中身を手軽に知りたい方は、YouTubeの要約系チャンネル見るといいと思います。
さて、本の中では、ダイエットの敵になりやすい状態がいくつか紹介されています。
その中でも特に
- 消耗したとき誘惑に屈しやすい(p113-138)
- どうにでもなれ効果(p139-159)
に興味を惹かれました。
(1)消耗しているとき、人は誘惑に屈しやすくなる
実験によると、認知負荷がかかった状態。より複雑で面倒くさくて大変なことを考えているとき、意思決定を繰り返し行っているときに、より衝動的で快楽を得られる不健康な選択をすることが観察されています。
ダイエットの例でいえば
- 朝から炭水化物と脂質を少なめにした食事。それに量も少なくお腹がすきやすい。
- テレビではグルメ番組が繰り返され、糖質と脂を強調した食べ物が大写し。
- スーパーやデパ地下に行くと、テラテラと光る試食品の数々。その後ろにはさらにおいしそうな商品の列
- 運動してヘロヘロ…空腹も限界近いのに食べられるのは、鳥のえさのような食事…
このように負荷がかかり続けていると
ぷちん
心のタガがはじけ飛び、それまで食べていたオートミールと胸肉を
ゴミ箱へSHOT!
超、エキサイティング!!
シャワーを浴びて近くのラーメン屋へ。
選ぶのはもちろん固め・濃いめ・多めの早死に三段活用!!
ってこと、よくありません? 僕はあります!
ステーキ300gに肉から出た油で作ったチャーハンを食べてしまいました。
かくのごとく、疲労した状態では合理的論理的判断を行うことが難しくなります。
Daigoさん(ウィッシュではないほう)の
『自分を操る超集中力』(かんき出版 2016/05/27)ちな、僕の誕生日も5/27
では「前頭葉のウィルパワー」(p26-)と呼んでいて、これが尽きることで集中力がなくなり、判断力も弱まるといっています。
(2)「どうにでもなれ効果」小さな不正をすると、そこから崩れやすくなる
例えば「今日はスクワットをして有酸素運動をしよう」「今日の摂取カロリーは1800kcal未満にしよう」「摂取カロリーと消費カロリーを記録しよう」「ブログを書いてYouTubeも撮ろう」
そう思って一日を始めたけれど、実際には…………
ということあると思います。ちな、上記は僕の実体験です。ダメでした。
自分のことをだますのは人をだますよりはるかに簡単であるため、小さな不正が起こりやすくなります。
そして面白いことに小さな不正は少し大きな不正を呼び大きな不正へとつながります。
スクワット100回が50回になり、一日おきになり……
そんなこと言ったって
そんなこと言われても
どうすりゃいいのさ
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/ノ ヽ\
/(●) (●)\
| (_人_) |
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\_三)
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|__ コロ…
___\ コロ…
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ぶっちゃけ、完全に不正を防ぐことは無理です。
なぜなら、人は不合理的だし、僕らデブは輪をかけて誘惑に弱いのだから。
とはいえ、絶望は死に至る病にしかならないので、本の中からいくつか対処法らしきものを紹介して終わります。
1.大きな欲求爆発の前に計画的に小爆発を起こす
グスコーブドリの伝記で火山局の面々がやっていたことと同じで、衝動の大爆発が起きる前に、小さく満足する日を計画的に設けます。
カロリー制限取っ払ってOK! 肉も食べる炭水化物も食べる、毒も食べる薬も食べる
そんな「チートデイ」を設けることで、不正を防ぎやすくなるそうです。
2.習慣化を味方につける。
およそ3ヶ月続けると習慣になり「やらないと気持ち悪い」状態になるそうです。
そこで、良い行動(運動やカロリー少なめの食事)も継続するだけの期間を設けることで、習慣として固定することができそうです。
僕(筆者)はどうする?
僕は、行動することも重要ですが、何より「知っておくこと」が重要だと感じました。
このような不正が起きやすいのだと、自分の身に降りかかるのだと覚悟を持つことができれば対処もしやすくなるだろう(プッチ神父理論)
自分が弱いからではなく、ヒトそのものが弱いのだ。
と考えることができて、少しだけ楽になれないでしょうか?
すげーありきたりな結論しか思い浮かびませんでした。
まことにごめんなさい。
もし興味があったら、ぜひ手に取って読んでみてください。
これ以外にも行動経済学の読み物は興味深いものが多いのでぜしぜし
へば